このような症状と疾患の方はご相談ください

• けが（切り傷、すり傷、皮膚が裂けた傷、刺し傷、咬み傷）
• 熱傷（やけど）
• そけい（鼠径）ヘルニア
• 肛門の痛み、排便時の出血
• 肩が痛い、肩が上がらない、四十肩、五十肩
• 背中・腰の痛み
• 膝の痛み、膝が腫れている

切り傷

鋭利なものに皮膚が接触すると切り傷が生じることがあります。屋外でのけがや汚れたものでの切り傷は化膿する危険性がありますので、生理食塩水や水道水でよく洗浄し、抗生剤入りの軟膏を塗ります。動物の引っかき傷など汚染創の場合は、加えて抗生剤を内服します。皮膚の土台となる真皮成分が完全に切り離れている切り傷は、傷口が大きく開き皮下脂肪（黄色）や筋肉（赤色）、骨（白色）が見えてしまうこともあります。この場合は、きちんと縫合しないと傷が開いた状態が長く続き、日常生活に支障がでてきます。

すり傷

すり傷はまず傷口の砂や泥などを水道水で洗い流し、きれいにすることが重要です。傷口が大きい場合や深い場合には、速やかに受診してください。治療では、まず傷口を洗い砂や小石、ガラス片などが入りこんでいないかを確認します。これらは膿みや傷あとの原因になるので確実に取り除きます。その後は、塗り薬による外用療法や創傷被覆材を用いた治療を行います。

打撲創（挫滅創）

打ち身(打撲)など強い力が加わることで生じる傷で、交通事故や転倒、スポーツ競技などで多くみられます。出血が多く認められる場合は、速やかに受診してください。治療では、傷口についた異物や汚れを落とし、できるだけきれいに縫合します。その後、塗り薬による外用療法や創傷被覆材による治療を行います。皮膚が欠損している場合や皮膚の一部が壊死している場合は、形成外科への紹介が必要になることもあります。

熱傷（やけど）

日常生活で多い外傷は熱傷（やけど）です。やけどは、皮膚に高温の液体や固体が一定時間以上接することで生じるもので、火炎や爆発などでも生じる場合もあります。低温熱傷や化学熱傷、電流（家庭電源、落雷など）による電撃傷などもあります。やけどをしたら、流水で15～30分程度しっかり冷却することが大切です。水ぶくれが破れると細菌感染をおこすことがあります。赤みや痛みが強い場合は早めの受診をお勧めします。

そけい（鼠径）ヘルニア

そけいヘルニア（脱腸）は、腹腔の内容物（腸管や脂肪のまく）がもろくなった腹壁部分から飛び出し、皮下に脱出して「こぶ」を作る病気です。左右の太もものつけ根部分（そけい部）にふくらみができ、押したり仰向けに寝たりすると戻ることがあります。原因には先天性と後天性があります。 ふくらみを押して容易に戻る状態であれば緊急性はありませんが、脱出した部分が固く戻らなくなることがあります（嵌頓：かんとん）。この状態を放置すると腸が虚血（血流の減少、あるいは途絶えること）状態となり腸閉塞や腸の壊死を起こすことがあるため、早めの処置が必要となります。そけいヘルニアは構造的な問題であるため、自然に治癒することは難しく根治には手術が必要です。

内痔核（いぼ痔）

直腸と肛門の境目である歯状線よりも内側（直腸側）に生じるものを内痔核と呼びます。内痔核の治療には保存的治療と手術療法があります。保存的治療では、便秘の改善や排便時の長時間のいきみを避けて規則正しい排便習慣をつけることが重要です。症状により経口薬や注入軟膏・坐薬を使用します。お風呂に入って温めるのも有効です。手術療法には、硬化療法、ジオン注射硬化療法（ALTA療法）、結紮切除術などがあります。手術療法が必要な方には、専門医を紹介することも可能です。

血栓性外痔核

肛門と直腸の境目（歯状線）より皮膚側（肛門側）にできる外痔核のうち、痔核の静脈の中に血栓（血のかたまり）ができたものをいいます。いわゆる血豆のような形態で、突然発症することが多い病気です。自覚症状は強い痛みと腫れです。原因として、長時間の座りっぱなし、排便時の強いいきみ、おしりの冷えなどがあげられます。大きさが小さく症状の軽いものの多くは、吸収されて消失します。痛みや腫れなどの症状が続く場合は、薬物治療あるいは手術治療を行います。程度が軽い場合や手術が受けられない場合は薬物治療を検討します。血栓が大きく痛みや違和感が強い場合には手術治療を選択します。

裂肛（切れ痔）

裂肛は、肛門の皮膚が裂けて痛みや出血が生じた状態をさし、急性裂肛と慢性裂肛があります。急性裂肛の場合、傷は浅く排便時に痛みや出血を伴うことが多いです。ほとんどは数日で回復します。慢性裂肛の場合、裂肛を繰り返すと傷が深くなり、潰瘍になることがあります。痛みが持続し、傷の内側に肛門ポリープ、外側にイボを形成することがあります。長期化すると肛門狭窄を引き起こすことがあります。

肩関節周囲炎

中年以降、特に50歳代に多くみられます。関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが老化して肩関節の周囲に組織に炎症が起きることが主な原因と考えられています。自然に治ることもありますが、放置すると日常生活が不自由になるばかりでなく、関節がゆ着して動かなくなることもあります。痛みが強い急性期には、安静と消炎鎮痛剤の内服、ヒアルロン酸注射などが有効です。

腰痛症

腰痛の原因には、腰椎に由来するものと、血管の病気、泌尿器の病気、婦人科の病気、消化器の病気など腰以外に由来するものがあります。主にレントゲン検査を行って診断します。急性期の治療は、内服薬、湿布、ブロック注射療法、コルセット装具療法などがあり一般外科で対応可能です。症状が慢性的に長く続いている方、症状が重く、専門治療、牽引などの理学療法、リハビリ、手術が必要な方には整形専門医の受診をおすすめいたします。

変形性膝関節症

原因は関節軟骨の老化によることが多く、肥満や素因（遺伝子）も関与しています。また骨折、外傷、感染の後遺症として発症することがあります。加齢によるものでは、関節軟骨が年齢とともに弾力性を失いすり減ることで関節が変形します。主にレントゲン検査で診断します。症状が軽い場合は痛み止めの内服薬や外用薬を使い、膝関節内にヒアルロン酸の注射などをします。このような治療でも治らない場合は手術治療を検討し、専門医を紹介いたします。